③春のミドリネコ
山の頂だからこそ、このようなお釜がぽっかりと天に開く。 そこにマリアの使者として、ミドリネコが向かう。 「これはなかなか、うずもれたものだな」 花に蓋された天空のお釜。 天突く春の花々にまっすぐに向かうミドリネコ。 #
by hiromi-nishigaki
| 2014-04-10 08:47
| ルルピカ
②春の洞窟マリア
そのころ、山の頂の暗がりに、マリアは身を潜めていた。 そこへ、ひかりの束と共に春告げ鳥がやってきて言う、 「この春のひかりの只中にあって、あの閉じたお釜の湯加減どうなった?」と。 そんなこと知らないわよ、とマリアはいいかけた。 しかし、お釜は閉じたままでは、水もよどむ一方だろうし、、 このうららかな春に朽ちるとは、縁起でもない! と、まあ、だんだんに、こう思えてきて捨て置けない。 なんといっても隣のお釜。 隣のお釜、どんなお釜?? 山の頂のお釜。 #
by hiromi-nishigaki
| 2014-04-09 16:04
| ルルピカ
①春の野辺あそび
山も頂ともなれば、なかなか住まうものはおらず。 ただ、まばらな緑地に猫がつどう。 毛糸玉の遊星が、春の膨張気流にまかせて近づいてくる。 「遠く、はるばるやってきた、あそびませ、さあ!」 タラリと誘い水がおりてくる。 遊んでいるうちに春はゆく。 遊びの内側に春はある。 #
by hiromi-nishigaki
| 2014-04-08 09:39
| ルルピカ
たなびく春の山、春かすみをかける、青猫あり
めざすは山の頂の大釜。 標高1674mにそれはある。 それは、ぽっかりと奇跡の大釜。 旅物語rp(ルルピカ)46作目、蔵王のお釜を背景にスタートいたします。 明日から、一日にひとつずつアップしてまいります。 どうぞ、よろしくお願い致します。 #
by hiromi-nishigaki
| 2014-04-07 09:15
| ルルピカ
手を洗う青が空の青につながる時
コルドバは青が映える街 コルドバは白壁の家並みに青のフラワーポットが有名な地。 白い街は青を強める。 すると、ジャンコクトーの詩が思い浮かぶ。 わたしはこの詩が大好きだ。 ナポリではないが、アンダルシアのからりとした空にもいいと思う。 青の神秘は充分に守られている。 青はかなたからやってくる。 途中で、それは堅くなり、山に変る。 蝉がそこで仕事をする。 鳥たちもそこで仕事をする。 実際には、人は何も知らない。 人々は紺青のプロシャの青について語る。 ナポリでは、大空が身をひいたときにも、 青の身なりの聖母マリアが、なお壁の穴のなかに残っている。 しかし、ここではすべてが神秘だ。 サファイアは神秘だ、聖母マリアは神秘だ、サイホン瓶は神秘だ、水兵の襟は神秘だ、 人を盲にする青い光線と、ぼくの心を横切るお前の青い眼は神秘だ。 ジャン・コクトー 窪田般彌 訳 「青の神秘 Le secret du bleu」 #
by hiromi-nishigaki
| 2014-04-01 18:43
| 作品
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